出来上がった1冊の絵本「おじいちゃんのイカ」元々は自分自身のために作った1冊である。勿論、素人の域を出ないものであるが、自分の中ではなかなかの達成感。今まで感じたことがない充足感を感じた。まあ、いわゆる自己満足なのであるが。そこで、やはり職業柄とも言えるだろうか。どこかで披露したい。今まで、様々な絵本を教室で読んできたこともあり、その中に紛れ込ませたいという厚かましい思いがふつふつと湧いてきたのである。そして、少々迷いながらも教室で読み聞かせたのである。自分で言うのも・・・なのだが、これが思った以上に好評を得た。(子どもに気を遣われていた?!)読んだ後は教室に置いておくと多くの子ども達が繰り返し読んでくれている。勿論、担任の先生が作った絵本ということでの物珍しさがあったのだろうが。そうこうしているうちに、「先生、この絵本、本屋で売って~!」などという声が聞こえてきた。最初は、嬉しい気持ちで聞いていたもののそんな大それたことなんてできないよなあ、そんな簡単にはいかないよなあと、あまり真剣に捉えていなかったのが正直なところだ。そんな気持ちで次年度を迎えて、また新しいクラスで読み聞かせると、ありがたいことに前年と同じような、いやそれ以上の声が聞こえてくるのだ。そうすると、単純なもので頭の中に“出版”という文字が浮かんでは消えて、消えては浮かんで、浮かんでは浮かんでと言う具合になってくるのである。
そこで、今まで全く知らなかった“出版”というものについてのリサーチを始めてしまうのだ。ちょっと調べるだけで、そう簡単なことではないことくらいは素人でもわかる。出版社への持ち込みで出版できるなんて、可能性はほぼない。今は、持ち込みを受け付けている出版社もほとんどないのが現状だ。そうなると、自費出版。相当な費用が必要だ。あとは、コンクール等で大賞等をとる。現現実的でない。しかし、何もしなければ何も進まない。当たり前だ。そこで、様々な絵本賞を調べで、文芸社主催の絵本大賞なるコンクールに応募することに決めたのだ。そのためには、今ある1冊の絵本では規定外。そこで、規定に合わせ応募できるように1から新たに描き直すことにしたのだ。ページ割やテキスト、そして、絵のイメージを練り直してじっくりと描いていった。そうして、とうとう規定のサイズで32ページ分の原画が完成した。初の絵本コンクール応募。これまた自己満足の達成感。この先どうなるのか。続く。