文字活字文化推進機構主催・読売新聞特別協力という枠組みのイベントでの絵本専門士による読み聞かせの依頼を受けたのが5月。そこから、読売新聞さんと絵本専門士によるオンライン会議、今回ご一緒させて頂いた絵本専門士の石坂律子さん(@ishisakaritsuko)と坂本ゆかりさん(@sakayukayuka)と僕の3人での打ち合わせ(といってもお2人にお任せすることも多かったので大変恐縮しながらも心強くて!)、事前の下見と打ち合わせ等を経て本番を迎えました。
この日のイベントは、★Honkids!ワークショップと★小学生ビブリオバトルが行われていて、同時並行で、9:30/11:30/13:30の3回、大階段での読み聞かせと、全体読み聞かせ後のゲリラ読み聞かせを行いました。
大階段での読み聞かせは、館内アナウンスとともにぞくぞくと来館者が集まり始めて嬉しい限り。簡単な自己紹介の後、3人の群読で大型絵本の「きょだいなきょだいな」(作:長谷川摂子 絵:降矢なな 福音館書店 1994年8月)からスタート。「あったとさ、あったとさ。」「こどもが100人やってきて」の繰り返しで、ありえない巨大なものが次々に登場する絵本。今まで、何度も読んできたし、絵本のことを全く知らない頃に読み聞かせをきいて、絵本っておもしろいなあと思った1冊。
その後は、3人の絵本専門士がそれぞれ選書した絵本を2択でお客さんに選んでもらうなどして、組み立てていきます。主に夏の絵本を中心に、対象年齢や場の雰囲気を考慮しながらいくつかのパターンを準備しておきました。3回ともそれぞれ反応の違いがあり、なかなか興味深いし面白い。こちらも、余裕が出てきて、読み手がいちばん楽しんでいる!?読み手が楽しくないと、聞き手は楽しくないし、アドリブのやりとりも楽しい。最後は、再び3人で大型絵本「やさいさん」(tuperatupera 学研プラス 2010年7月)を読んで、みんなの「すっぽーん!」で締めくくりました。
大階段の読み聞かせで僕が読んだのは、「なつやさいのなつやすみ」(作:林木林 絵:柿田ゆかり ひかりのくに 2012年7月)・「はなびどーん」(作:カズコ・G・ストーン 童心社 2012年6月20日)・「トマトさん」(作:田中清代 福音館書店 2006年7月)の3冊。それぞれの面白さを感じてもらっていれば嬉しい。
そして、ゲリラ読み聞かせの方はといえば、小さな女の子が、お父さんと一緒に「おさるのジョージ」をもってきて、「読んでください。」と言ってくれることから始まり、長いお話にもかかわらずじっくり聞いてくれました。また、お子さんを連れたお母さんが、「糸井さんの声で読み聞かせが聞きたいです。」と、なんとも嬉しいお言葉。絵本を読んでいたら、周りの子が集まってきて一緒に聞いてくれたり、次に読んでほしい絵本を持って順番を待ってくれたり・・・。温かくて濃密な時間空間に浸ることができました。お2人の様子も見させて頂くことができましたが、子ども達をひきつける雰囲気や読み方、場の空気の作り方はさすが!いつも学ぶことが多いです。何よりも、日頃からの実践量と経験、ぼくにはまだまだ足りなさすぎる絵本に関する知識にもいつも感心しきりです。
最後には、小学生ビブリオバトルの決勝も観覧させて頂き、投票もしました。どのお子さんも自分の言葉でしっかりと語っていて素晴らしい!こども本の森の設計者である安藤忠雄さんもご来館されており、講評もされていました。
そんなこんなで、素晴らしい空間で本当に貴重な体験をさせて頂きました。ご一緒させて頂きました石坂さん、坂本さんをはじめ、読売新聞の皆様、こども本の森のスタッフの皆様、文字活字文化推進機構の皆様、そして、ご来館頂き、一緒に絵本を楽しんでくださった皆様、声をかけてくれた子ども達・・・他にも裏方となって動いてくださった方々・・・皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
いや~、楽しかったなあ。