久しぶりに拙著の創作記録。今回は、「とんがりみんどりとトカゲのカナ子」(2021年10月15日発行 文・絵 糸井文彦)について書いてみようと思う。まずは、このお話の背景についてご紹介したい。
創作のモチーフとなったのは、私が小学生の時の、今も心に残る体験を絵本の形を借りて残しておきたいと思った出来事だ。それは、自分自身の掌の上でトカゲの卵が孵化した時のことだ。今も鮮明に映像としてその記憶が残っている。本書P.8~P.11の場面はその出来事を表したものだ。これは本当にびっくりした。
そして、この出来事を絵本の中心として据え置いて、事実に脚色を加えながら1冊の絵本として成立させるべくストーリーを組み立てていったのだ。また、このお話に出てくる3人の男の子、ターくん、ヒデちゃん、そして、シゲ(私のイメージ)は実在のモデルが存在する。残念ながら、今は付き合いはないが、私の中では鮮明に残っている2人のモデルがいるのだ。(今、どうしているのだろう。元気にいてくれたら嬉しい。)
また、舞台となっているのは勿論私自身の母校である。私と同じ母校の方は、もしかしたら懐かしいワードに気が付いたかもしれない。それは、冒頭で出てくる「赤土山」だ。この赤土山は本書に書いた通り、体育館の裏側にある、今から思えば不思議な空き地だ。そらから、後者の裏側は、あまり明るい雰囲気とは言えない草っぱらだったはずだ。これらの場所を舞台に、“少年たち”を描きたいという思いがったのだ。ということで「とんがりみんどりとトカゲのカナ子」創作記録第1回はここまで。
とんがりみんどりとトカゲのカナ子 | 糸井 文彦 | 絵本ナビ:レビュー・通販
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